劇團有機座マガジン

銀漱コラム Vol.4

もう少しで、3月公演の幕が上がりますが、そんな告知は下の方に書き込みますので、最後まで宜しくで。
そんなこんなの今回も大人の都合で、少し早目の銀漱コラムです。  😎

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今回は、劇団内のコミュニケーションについて

劇団に限らず、複数の人が集まれば、そこにはTPOに合った何らかのコミュニケ―ションが有る訳で、演劇で有れば尚更色々な場面でのコミュニケーションが求められているのだが、我々の劇団では代々、コミュニケ―ションを3つに分類していました。
一つは、舞台上でのコミュニケーション。一つは稽古を含め舞台外での日常コミュニケーション。最後に職務上で必要なコミュニケーション(EX.ホウレンソウなど)。

ここで誤解されやすいのが、最初の「舞台上のコミュニケーション」。これはよく言われる「役の交流」だけを指して居るのではなく、芝居を支えている全てを含めた関係性を言って来ました。

本来、演劇とはキャストが100人でも、「一人の観客」が居れば成立します。これはキャストが1000人でも、観客が「0人」で有れば成立しない事を意味しています。演劇人には当たり前過ぎる話で、「何を今さら」と言われそうですが、実にこれが当たり前過ぎておざなりにされ易い盲点なのです。

それは、ここから少しややこしいのですが、稽古場で芝居の稽古をしているとして、これは「芸術」に入るかどうかと言うと
「ノ-」です。
同じ芝居の稽古を、街中の公園で練習していたとして、これは「芸術」に入るかと言うと「イエス」です。

ここまで読んでくると、公園での稽古は「誰かが見てるから」と答えたくなります。それも一つのポイントでは有るが、「稽古場」とは芝居を作る為の環境そのもので「公園」より芝居の練習を当たり前に出来る場所なのです。
片や公園は市民の「憩いの場」であり稽古の場所としては存在しておらず、そこで「芝居」を成立させていく為には稽古場より、多くの「工夫」と「集中」と「イメージ力」が必要となります。

逆に稽古場には無い、リアルタイムでの「環境の変化」が有ります。稽古場で風を吹かせるには、大きな扇風機を持ち込まなければなりませんが、公園なら自然の風が「予期せず」吹きます。サイレンの音も有るかもしれません、夕方過ぎれば涼しい、もしくはより寒くなる等、刻々と変化する温度の変化、環境の変化が有ります。
それら全てを役者・俳優は自在に利用出来ます。夕方吹いて来た涼しい、或いは冷たい風を「滝」から吹いて来る風として扱えば、そこはすでに「公園」では無く、どこかの「滝の近く」なのです。

ここでちょっと余談になりますが、俳優と言う熟語の「俳」と言う文字を「人に非(あら)ず」と否定的に解する人も居ますが、正確には「非」と言う文字は「羽」を表したもので、これを踏まえて「俳」は人を超えた、或いは羽が生えた様に「軽やかな」身のこなしが出来る「優れた」者と言う意味になります。

話しを戻しまして
つまり、稽古場での稽古とは、あくまで芸術的状態に入る途中の状態であって芸術では無いのです。この「芸術的状態に入る段階」と芸術としての「創造的状態」とは、はっきり区別して意識しないと混同してしまい、当然、コミュニケーションの仕方も誤ってしまいます。

我々の言う処の、舞台上のコミュニケーションとは「役の交流」のみならず、芸術的状態に入る段階を経た「創造的状態」と観客に芝居を提示する為の技術スタッフを含めた「高度な集中の連係状態」を指します。

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【ここで告知】*****************************

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✩ 3月公演 ✩

2014年3月7日~9日

〒165-0026 東京都中野区新井5-1-1omote_s
スタジオライフビル1F
ウエストエンド スタジオ

JR中央線:中野駅より徒歩15分
西武新宿線:新井薬師駅より徒歩7分

銀漱・作 / 演出
「真実の明暗~2014

社会派サスペンス劇の6年ぶり再演です。

 

チケット⇒ https://youkey.biz/fun/
簡単予約⇒ http://youkey.biz/kouens.html (こちらはポイント対象外です)

 

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とまぁ、今回もここらで
次回こそ、演出家との付き合い方のココロだぁ

by銀

 



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