劇團有機座マガジン

銀漱コラム Vol.3

今回は「稽古と時間フィルター」について

【まず告知】*****************************

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✩ 3月公演 ✩

2014年3月7日~9日

〒165-0026 東京都中野区新井5-1-1
スタジオライフビル1F
ウエストエンドスタジオ

JR中央線:中野駅より徒歩15分
西武新宿線:新井薬師駅より徒歩7分

銀漱・作 /演出
「真実の明暗~2014

社会派サスペンス劇の6年ぶり再演です。

 

チケット⇒ https://youkey.biz/fun/
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たとえば演劇に限らず、何か習い事でも良い、その時は苦労してなかなか上手く出来なかった事が、暫く時間をおいて再挑戦したら、予想以上に上手く出来たと言う経験は無いだろうか?
この「時間の経過」、この間、何か他の事に取り組んでいたかもしれない。日常生活で、当たり前の様に経験則も増えている。こんな事も関係しているのだが、他に、記憶領域や潜在意識と言われる領域に蓄積された、稽古で得られた感覚や記憶が、時間が経過する中で、再編集され合理的な情報量に取りまとめられる。
この「時間フィルター」が芝居にとっても有益な作用を持っている。この作用のおかげで、稽古中は気付かなかった事、掴みきれなかった感覚を発見したり、得たりする事が出来る。これは、一つには、実際の稽古から離れていれば、力も抜けより多くの事に気づくと言う作用も有る。この時、実地検証で得られた結果では、脳波でα波のあと、多くのθ波が出現した。注意力を持続させる事によって、このθ波は、途切れる事無く集中の間中、出現し続けた。

この「時間フィルター」の効果をより多く引き出す為には、芝居で有ればより多くの時間、「台本に向き合い」、「行動を通して分析し」、「多くの情報や気づきを蓄積させておく事」で有る。より多くの時間による深い考察が必要である。この時得られた情報と感覚が、「時間フィルター」を通したとき、表現者にとって、多くの有益な情報へと変化する。

ここまで来て、気づかれた方もいらっしゃると思うが、この「時間フィルター」の長さはどれ位必要なのか? 

 

答えは、「何も制約を受けない」である。30分でも良いし10年でも良い。その時間経過に相応しい結果を手にすると言う事である。ある意味これが、同じ「マクベス役」をやっても、ベテランと新人とで違いが生まれる要因の一つである。
当然年配者の方が、経験値も多く、スタンダード作で有れば、この新人君が生まれる以前に向き合っていたかもしれない。そこには厳然たる情報量と質の違いが有る。

実際の演劇の場では、このフィルターを利用する為には、それなりのトータルでの時間が必要となる。分かりやすく言えば、

稽古が進み概ねまとまった処で、例えば半年休む( この間他の作品の制作を進められると尚よいが )

と言った具合で有る。この半年と言う時間が、蓄積された感覚と情報を熟成させる。

 

と言う事は、商業演劇や最近のプロデュース公演と言う物は、短期間の集中稽古で幕を開けようとするが、当然この「時間フィルター」は短く、それに相応しい熟成しか得られない。この短時間で作品を作ると言う、演劇的リスクを補完する物が、商業演劇等に見る高価な舞台セットによる「リアリズム」で有る。

 

と、ここから先は、次回以降の「演出家との付き合い方」などでブチマケルのココロだぁ。

 

 



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